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全日本トラック・マスターズ2026

全日本トラック・マスターズ2026

……ふん。

今年も松本の美鈴湖で、いつものようにメカニックサービスをこなしてきた。

パンクに調整。些細なトラブルはあったが、どれも致命傷にはならなかった。

まあ、俺がいる限り、そう簡単に壊させはしないがな。

そして、何より印象に残ったのは前田製菓の社長だ。

いつもスフィダーレクリットを熱心にサポートしてくださっている前田製菓株式会社 の社長、

日頃から「あたり前田のクラッカー」や「WAY TO GO」などでスポーツを応援してくれる前田社長が、自らトラックで日本一になる——本当に素晴らしいストーリーだろ。

45-49歳クラス、男子1kmタイムトライアル。

1分07秒122

自己ベストをぶち破ってのナショナルチャンピオン。

……リスペクトしかねぇ。

ビジネスのトップに立ちながら、あの年齢でこのタイムを叩き出すとは。

ただ走るだけじゃない。

頭も体も、限界を少しずつ削りながらここまで来たのだろう。

そういう男の走りは、言葉じゃなく、気迫でわかる。

そこで目を引いたのは、RKチェーン MANEUVER だ。

1kmTTという、文字通り

「地獄の1分間」

を走る中で、あのチェーンはウルトラスムーズに噛み合いを保ち続けた。

全力で踏み込んだ瞬間も、滑ることなく力を路面に叩きつけていく。

……悪くない。

十分に、社長の走りを支えていた。

俺はただのメカニックだ。

だが、そんな男が限界に挑む姿を見ていると、つい工具を握る手に力が入る。

RKチェーン MANEUVERは、確かにこの優勝に一枚噛んでいたはずだ。

そして俺も……少しだけ、この走りに手を貸せた。

前田社長。

立派に、日本一を掴み取った。

……おめでとうございます。
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