ふん。
今日もまた一台、パナソニックファクトリーから興味深いマシンがこの世に生まれてるな。
104cycleのTOSHIだ。
普段は自転車を組む側にいるが、先日、パナソニックサイクルテックの設計課とスポーツバイク営業課の首脳会議という名の「データ詰め」をやってきた。
結論から言おう。
【もう、パナソニックしかねえよ】

彼らのテスト結果を見た瞬間、驚愕したよ。
計測機械の規模、テストフレームの本数、そして蓄積されたデータの膨大さ。
NJSをさんざん見てきた俺でさえ「ここまでやるか」と舌を巻いた。
でもな、データと選手の感覚が真っ向からぶつかる場面が多々あるらしい。
普通のメーカーならそこで妥協するか、データを優先して選手を黙らせる。
だがパナソニックは違う。
サポートライダー・佐藤慎太郎の言葉に耳を傾け、データを再検証し、フレームを煮詰める。
機械が吐き出す数字だけじゃなく、人間が感じる「走り」を真正面から取り入れる。
そのバランス感覚が、ただのメーカーとは一線を画している。

さらに、80年代にオランダのプロチーム「パナソニックスポーツライフ」へ供給していた時代の製造ノウハウまで、現代のフレームに脈々と受け継がれているという。
古い血と新しいデータが融合した時、化け物が生まれる。
俺はそう思った。
でもな、多くの選手がまだ信じているらしい。
「パナソニックのフレームは機械が作ってるんだろ?」と。
笑わせんな。
あれはデータと職人の意地がぶつかり合って、ようやく生まれる一品だ。
機械じゃ絶対に作れねえよ。

そして、NJSのフレームビルダーたちが集まると、パナソニックの人間は質問攻めにあうそうだ。
そりゃ当然だ。
パナソニックが持っているデータの量と深さは、個人ビルダーでは到底到達できない領域にあるだろ。
「この数値はどう解釈する?」
「感覚との乖離をどう埋める?」
そんな質問が飛び交う光景は、容易に想像できる。
俺は思う。
本物の作り手は、データに溺れず、データに支配されず、
データを使いこなして、なお「走り」の神髄を追い求める。
パナソニックは、今のところその領域に一番近い場所に立っている。
お前が本気で速さを求めているなら、
一度、104cycleの扉を叩いてみろ。
ここでは幻想は売らない。
データと現実と、走った時に感じる「何か」を、真正面から突きつける。
競輪プロとして、CRITレーサーとしてピストに乗り続けている俺が認めるたった一台のフルオーダーフレームだ。
104cycle
児玉利文
児玉利文