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信頼できる指導者を見極める重要性 ~一貫した指導が成長を加速させる~

信頼できる指導者を見極める重要性 ~一貫した指導が成長を加速させる~

児玉利文|
自転車競技を長く続けていると、いろんな指導者と出会います。熱心な人、データ好きの人、精神論の人……それぞれに良さはあるけれど、いろんな人の意見を聞きすぎると、かえって混乱してしまうことがあります。私も昔は「この人の言うことも正しいかも」「あの人も良いこと言ってるな」と、あちこちのセミナーやアドバイスに飛びついていた時期がありました。

自転車競技を長く続けていると、いろんな指導者と出会います。

 

熱心な人、データ好きの人、精神論の人……それぞれに良さはあるけれど、いろんな人の意見を聞きすぎると、かえって混乱してしまうことがあります。

 

私も昔は「この人の言うことも正しいかも」「あの人も良いこと言ってるな」と、あちこちのセミナーやアドバイスに飛びついていた時期がありました。結果、自分の軸がブレて、信頼していた指導者に対しても「本当にこれでいいのか?」と疑心暗鬼になってしまったことが何度もあります。

 

ある調査では、複数のコーチから指導を受けたアスリートの30%が「指導方針の矛盾」に悩まされたと回答しているそうです(スポーツコーチングレビュー、2023)。

 

これは他人事ではありません。私自身がまさにその一人でした。特に印象に残っているのは、私がナショナルチームに所属していた時期のことです。重要な大会が近づくと、急に合宿に召集され、そこでは普段お世話になっている指導者とはまったく違うナショナルチームの監督・コーチ陣から集中的に指導を受けました。

 

もちろんレベルは高いし、学べることも多かったのですが、問題は「普段のトレーニングとの「隔たり」です。普段は自分のペースで、積み上げてきたメニューをこなしているのに、合宿になると急に「これまでのやり方は非効率だ」「もっとこうしろ」と、全く違うアプローチを押し付けられる。データの見方も、ペダリングの意識の仕方も、ポジションの考え方も、180度変わるような指導をされることもありました。正直、最初は「これがトップレベルか!」と興奮したのですが、合宿が終わって日常に戻ると、頭の中は大混乱。


「結局どっちが正しいんだ?」


「今までやってきたことは間違ってたってこと?」


「次の合宿までこの新しいやり方を続けたら、また次の合宿で否定されるんじゃないか……?」

 

こんな不安が頭をぐるぐる回って、練習に集中できなくなった時期がありました。せっかくの貴重な強化の機会が、逆に自分の成長の足を引っ張ってしまったと感じたこともありました。

 

この経験から痛感したのは、「一貫した指導者に見てもらうことの圧倒的な価値」です。たまにしか会わない“スーパーコーチ”に憧れる気持ちはわかりますが、結局、選手を一番成長させてくれるのは、普段から自分のことを見てくれて、目標を共有して、ちょっとした変化にも気づいてくれる「主治医のような指導者」です。だからこそ、信頼できる指導者を見極めるポイントとして、私は以下の3つを特に重視しています。

  1. 実績
    過去に指導した選手が実際に結果を出しているか。口だけじゃない、実証された実績があるか。
  2. コミュニケーション力
    私の目標や現在の課題をしっかり聞いてくれて、それに合わせたプログラムを作ってくれるか。「いつも同じメニュー」ではなく、バリエーションを加えてくれるか。
  3. 一貫性(これが一番大事)
    指導方針がブレないこと。そして、年に数回の合宿だけではなく、普段から継続的に見てくれること。急に「これまでのやり方はダメ」と覆されない、積み上げられる関係が築けるか。

私は、「この人になら任せられる」と思える指導者と何人も出会ってきました。


合宿や遠征で他の人の意見を聞いてみるのは大切、しかし軸はブレてはいけません。なぜなら、普段から信頼関係ができていて「これは私の特性を理解した上でのアドバイスだ」と判断できるからです。皆さんも、ぜひ「一貫して寄り添ってくれる指導者」を大切にしてください。
派手な実績や有名な名前よりも、日々の練習で「この人について行けば間違いない」と思える存在が、あなたを確実に強くしてくれます。信頼できる指導者に、しっかりついていく。
それが、混乱しない、最短最速で成長する道だと、私は自分の経験から確信しています。

 

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