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競輪選手養成所試験の現実と、育成システムの必要性について

競輪選手養成所試験の現実と、育成システムの必要性について

児玉利文|

競輪選手を目指す道は、想像以上に厳しく、人生を左右する大きな勝負です。

 

 日本競輪選手養成所への入所試験に一回でも失敗すると、デビューが丸1年遅れることになり、経済的な損失は軽く1,000万円以上に及びます。デビューが遅れるということは、その1年間分の賞金獲得機会、経験値、キャリア形成のすべてが後回しになるのです。

 

このリスクを考えると、誰もが「絶対に早く合格したい」と強く願うはずです。しかし、現実の問題はここにあります。

  • 一次試験の実技(技能試験・適性試験)は、指導者に恵まれなければ突破が非常に難しい。
    • 自転車経験者は200m・1,000mのタイム測定、未経験者は垂直跳び・背筋力・柔軟性などの身体能力測定が行われますが、適切な指導・練習環境がなければ合格ラインに届きません。
  • 二次試験では、さらにハードルが上がります。
    • SPIによる適性検査
    • 面接(人物考査・口頭試問)
    • 作文

この二次試験の部分は、現役の競輪選手が直接教えられる内容ではありません。

 

実技とは全く異なるスキルが求められるため、専門的な指導者がほとんど存在しないのが現状です。

 

そんな中、愛知県(名古屋競輪場を中心とした愛知支部)では、すでに現役選手が直接指導する

 

「名古屋サイクルクラブ」のような育成コースを運営しており、養成所入所試験合格に向けた実績を出しています。

 

これは素晴らしい取り組みですが、同時に現役選手にかかる負担は計り知れないものだと思います。

 

自分のレースやトレーニングの合間に若手を指導するのは、体力的にも精神的にも相当な負荷です。

 

さらに、最近注目されているのが、東京都港区赤坂にある「ネクスト赤坂(NEXT Akasaka-Base)」が運営する競輪予備校です。 2022年に開校し、自転車競技未経験者を主な対象に、一次試験の適性試験(垂直跳び・背筋力・柔軟性)と二次試験の固定式自転車(Wattbike)を使用した走行能力測定(最大パワー・最大回転数・平均パワーなど)の対策に特化したプログラムを提供しています。

  • Wattbikeを活用した科学的トレーニング
  • 下半身・上半身の総合的な筋力強化
  • コンディショニング(針灸・マッサージ・ストレッチ)や栄養サポートのオプション
  • 週1回のパーソナル指導+自主トレ可能
  • 月会費33,000円(受験生クラス)、入学テストあり

5年連続で合格者を輩出しており(現在6年連続を目指す)、実際に合格した選手からのインタビューでも、短期間で数値をクリアできた点が評価されています。 

 

コーチは日本スポーツ協会公認自転車競技コーチの内尾行孝氏で、プロ選手との交流機会も提供するなど、試験合格後の競輪生活を見据えた指導が行われています。これはまさに私が理想とする、外部の専門「競輪アカデミー」に近い存在です。

  • 現役選手は自分のレースと成績向上に集中できる
  • 受験生は体系的・専門的な指導を受けられる(特に未経験者向けの実技対策が充実)

 

さらに、これは現役選手自身のメリットにも直結します。自分が所属する県(支部)に新人選手が増えるということは、レースで圧倒的に有利になることを意味します。

  • 同じ県の選手がいれば、下位の点数でも「後ろを回れる」
  • これで代謝(クビ)を回避した選手を、私は何人も見てきました
  • これは弱い選手に限った話ではない

競輪は、どのランクのレースだろうと、1人だけでは優勝は極めて難しい。そのためにラインを組んで戦います。

 

なので、同じレースに同じ県から3人、4人と有力選手が揃えば、ラインの形成・戦術の幅が飛躍的に広がり、

 

優勝の可能性は劇的に高まります。

 

つまり、新人選手の育成は「若手を助ける善行」ではなく、「自分のため」になる投資なのです。

 

現役選手の皆さんには、ぜひこの視点を持ってほしいと思います。


自分の県の未来を強くするため、そして自分の競走人生をより有利にするためにも、育成への意識を変えていくべきタイミングが、今まさに来ているのではないでしょうか。

 

ネクスト赤坂のような外部予備校がさらに増え、全国的に広がれば、競輪界全体のレベルアップと選手層の厚みが増すはずです。
本格的な外部アカデミー・予備校の普及を強く願っています。


そこから生まれる新しいスター選手たちが、競輪の未来をさらに輝かせるでしょう。

 

TOSHIでした。

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